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総裁記者会見要旨(10月16日)
G20終了後の谷垣大臣・福井総裁共同記者会見における総裁発言要旨
2005年10月17日
日本銀行
―於・中華人民共和国・河北省香河(北京近郊)
2005年10月16日(日)
午後0時55分から約15分(現地時間)
冒頭発言
G7を中心とする先進国と段々数が増えつつあるエマージング諸国が、全体としてひとつの大きなリズムで良い世界経済を創っていかなければならない、といった強い共通の感覚に貫かれた会議であったと思う。参加して非常に有意義な会議であったと思う。
以下質疑
【問】
グリーンスパン議長が、世界的な長期金利の反転リスクについて言及されたと聞いているが、この点について総裁はどのようにお考えか伺いたい。
【答】
世界経済の成長率が比較的高く、油の価格も上がっている状況の下で、長期金利が低位に安定して、スプレッドもタイトなまま推移している。この基本的な背景について様々な議論があったが、世界的に見て貯蓄率が高く、貯蓄に対して投資が下回っていることが、様々な理由の中でひとつ確認されつつある。逆に言うと、これは、これから資源を有効活用することによって、世界経済がより好ましいかたちで発展していく可能性を秘めていることであるので、そこが、G20諸国あるいはより広い国々を含めた、これからの大きな課題であることが暗黙のうちに確認されたと思う。その努力が不十分なまま、長期金利が低位に安定していることに安心し過ぎて、人々が脇道に逸れた行動に走ることになると、逆に混乱が起こることになる。一番ポイントのところを押さえながら、G20諸国がしっかり議論して、それぞれの国において必要となる方策を実施していくことが大事である点が確認されたと思う。
【問】
日本の金融政策について、会議でどのように説明されたのか伺いたい。
【答】
日本経済は次第に好ましい姿に変わりつつある。金融政策の面では、デフレの状況が残っているが、物価動向も次第に良い方向に向かっている。しかし、CPIが安定的にゼロ%以上になるまでは、今の緩和政策をしっかり続けると説明した。
以上