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支店長会議総裁開会挨拶要旨(2007年10月)
2007年10月15日
日本銀行
- (1)わが国の景気は、緩やかに拡大している。海外経済の拡大が続く中で、輸出は増加を続けている。また、企業収益が高水準で推移する中、設備投資も引き続き増加基調にある。雇用者所得は緩やかな増加を続けており、個人消費は底堅く推移している。内外需要が増加する中で、生産は増加基調にある。先行きについても、生産・所得・支出の好循環のメカニズムが維持されるもとで、息の長い成長が続く可能性が高い。
- (2)米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発して、国際金融資本市場において不安定な状態が続いているほか、米国経済の下振れリスクなど、世界経済についての不確実性がある。したがって、国際金融資本市場および世界経済の動向は、引き続き注視する必要がある。
- (3)物価面では、国内企業物価は、国際商品市況高などを背景に、3か月前比でみて、当面、上昇を続ける可能性が高いが、そのテンポは鈍化していくとみられる。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、目先、ゼロ%近傍で推移するとみられるが、より長い目でみると、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していく中、プラス基調を続けていくと予想される。
- (4)日本銀行は、経済・物価情勢を丹念に点検しながら、金融政策を適切に運営することを通じて、物価安定のもとでの持続的成長の実現に引き続き貢献していく所存である。
- (5)わが国の金融システムは、全体として安定した状態を維持している。サブプライム問題も、現時点において、わが国金融システムの安定性に大きな影響を及ぼすものとはみられない。金融機関においては、リスク特性の複雑な金融商品が増えていることを踏まえ、その的確な把握・管理が一段と重要となっている。
以上